・Mgr 菊池
前回、「関東近郊の公演が続くパターンが実は一番辛い」と書き込みましたが、、、
ウソでした。
今年のツアーの行程が「普通にとっても辛い」です。
今年は幾つもの絡み合った事情があり10月スタートの3ヶ月のツアーとなりました。
ここ数年は時期の違いは有っても、毎年4ヶ月かけて40公演前後の全国ツアーと言うのが通例でした。
去年の11月末から2009年の年間プランをFIXさせ始め、年明け早々の1月17日に「全国ツアーは3ヶ月間の30公演」と決定したはずでした。
通常、コンサートのスケジュールは18ヶ月から12ヶ月前に各地のプロモーターがそれぞれの会館で行われる「抽選会」に参加してキープしておきます。
また、葉加瀬のようの毎年コンスタントにツアーを行うアーティストの場合「既得権」と言うワケでは有りませんが「この月の第一土曜は葉加瀬さん」と、会館が空けて待ってくれてたりもします。
逆に予約する際に「プロモーターのキープ」ではなくアーティスト名と内容を明らかにしなければならない「キャンセル出来ない会館」も有ります。
これら全国の情報を集め、会館が空けて待ってくれている「土曜日」を「日曜日」に変える交渉をしたり、無理と無駄のない移動行程を踏まえ、全国のプロモーターをコントロールしつつツアースケジュールを組み上げるのが「コンサート制作会社」の一番始めのお仕事です。
この後、
チケット券売のプラン立てや制作費の管理、様々な手配や折衝、それこそ気が遠くなる程のプロセスが待ちかまえていますが、なによりも「スケジュール組み」が肝心要な仕事です。
葉加瀬ツアーの「コンサート制作」は「オン・ザ・ライン」と言う会社が行っています。 この「オン・ザ・ライン」、公正取引委員会から独占禁止法に抵触すると勧告を受けてもおかしくない位に、様々なジャンルのありとあらゆるコンサートを片っ端から企画制作しています。
J-POPのアーティストを思いつくままに5組挙げると2組は「オン・ザ・ライン」が制作してます。10組挙げれば6組のアーティストに何らかのカタチで拘わっています。
とにかく、コンサートの仕事をしていて「オン・ザ・ライン」を知らない人はアウトです。
野球をやっていて長嶋茂雄を知らないようなモンです。
日本のどこかで「オン・ザ・ライン」が絡んだコンサートが毎日必ず行われています。
と、言うことはつまり、、、、
こっそり内緒でキープしている会館のスケジュールを持っていたり、Fさん用に押さえていた会館をAさんに渡してAさんが押さえていた会館を葉加瀬で使ったり!と、効率的なツアースケジュールを組み上げる無限のウラワザを隠し持っているワケです。
もっとネタバラシをすると、野外イヴェントやアリーナクラスの公演翌日に別なアーティストの公演を行い基礎舞台や音響機材をそれぞれがシェアするというハナレワザも可能なワケです。
当然、
音楽性や企画が「かぶらない」アーティストやコンサートでなければいけないワケで、でも、バンドの編成や根本的なサウンド感が近くなければ音響機材までシェアする事は不可能なワケで、ソレが可能な様々なパターンでシェア出来る程のシェアを誇る「オン・ザ・ライン」なのです。
その「オン・ザ・ラインの根津さん」が組んだ今年のツアースケジュールを昨年末にチラッと見ました。
年が明けの1月17日に葉加瀬本人も交え「根津さん」と確認の打合せもしました。
3ヶ月で30本のツアーでFIXしたはずでした。
ツアープロデューサーがアーティスト本人と書面を見つつ皆で決定したスケジュールでした。
移動行程に無理のない今後の葉加瀬の展開を見据えた美しいスケジュールが並んだ書類でした。
ところが、、、、
サービス精神旺盛な葉加瀬は「あの街に行けないのは残念だね」とか「この街での公演はやり続けよう」とか、、、、「多少、移動が辛くても頑張るよ!!」とまで仰ったワケです。
それに答えて「根津さん」は、、、
「もう少し調整します」とか「ココは行けますね」とか、、、、、
前向きモードのスイッチがON!したワケです。
「スタートまで一年を切っての調整はムリが有るだろう。数本公演が増えるんだろうなぁ」ナンて思っていたら、期間はそのまま変わらずに11公演も増えたワケです。
「敏腕」なのにも程が有るだろう!! と、言うのが率直な感想で、、、
結果今週は、「大阪」→「埼玉」→「神戸」→「大宮」→「福岡」と西日本を行ったり来たりの大騒ぎです。
葉加瀬も僕もそれぞれに結構長い間コンサートの仕事をしてますが、此程までの強行スケジュールは聞いたことさえ有りません。
限界を通り越して「抜け殻」が日本中を漂っている感じです。
でも、しかし、
コンサートが始まり、一曲目のイントロが流れ、客席に拍手の音が溢れると、、、
背筋にビッシッ!とチカラが入りカラダの中が熱くなるのを毎公演の度に感じます。
本当にコンサートは恐ろしいくらい楽しいモノです。
ツアープロデューサーが「敏腕」でホント感謝です。